前回に引き続き「九兵衛旅館 別館 珠玉や」の完全攻略ブログ記事その2です。今回から「九兵衛旅館 別館 珠玉や」での館内施設やサービスの紹介に入っていきます。
「九兵衛旅館 別館 珠玉や」でも本館の「九兵衛旅館」とほぼ同じ料理が日々提供されているので、リーズナブルな料金にもかかわらずため息の出るほど美味しいと評判の料理の数々は必見です!
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今回の宿泊中のスケジュール(モデルプラン)
1日目 |
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17:00 チェックイン |
17:15 ルームツアー |
17:40 入浴(「九兵衛旅館 」大浴場「川の湯」) ⇐いまココ! |
18:40 夕食 |
20:30 読書休憩 |
21:30 入浴(「九兵衛旅館 」大浴場「山の湯」) |
22:15 部屋に戻ってクールダウン |
22:45 入浴(貸切風呂「あさつゆ」「ゆうぎり」) |
23:30 就寝 |
2日目 |
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5:30 起床 |
6:00 入浴(貸切展望風呂「まんてん」) |
7:40 朝食 |
8:30 コーヒータイム |
8:45 入浴(「ますや旅館」貸切風呂「古代檜の湯」) |
9:45 ティータイム・チェックアウトの準備 |
11:00 チェックアウト |
1日目(続き)
17:40~ 入浴(「九兵衛旅館 」大浴場)
ルームツアーを一通り終えたところで、夕食前の入浴に向かいます。チェックインが遅くなってしまった関係で、夕食の18時40分までの時間もあまり残っていないので、急いで入浴の準備を整えて浴場に向かいます。

ここで、数ある湯殿の中でどこの湯殿に向かうかが悩みどころですが、「九兵衛旅館 」の本館の大浴場は、20時に男湯と女湯の入替えがあり、入替えが行われてしまうと、それが翌日のチェックアウトまで続いてしまうため、入替前に「九兵衛旅館 」の大浴場に行っておかなければということで、「九兵衛旅館 」に向かうことにしました。
別の建物への移動を伴うとはいえ、「九兵衛旅館」の本館までは徒歩で約50秒の距離にあるので、移動による時間のロスはほとんどありません。「九兵衛旅館 」の本館は、「九兵衛旅館 別館 珠玉や」の目の前の道路を20メートルほど左に進み、左の小路に入って30メートルほど真っすぐに進んだところにあります。

午後6時前ともなれば辺りはすっかり暗くなっていますが、「九兵衛旅館 」の建物は煌々と明かりが灯っていました。

エントランスをくぐって「九兵衛旅館 」の本館の館内に入ると、さすがは本館といった感じのしつらえで、琉球畳敷きの広々としたロビーが広がっています。庭園をのぞむ窓側にはラウンジスペースが設けられています。



「九兵衛旅館 」の大浴場には、山をイメージした「山の湯」と川をイメージした「川の湯」と趣きの異なる浴場が2つあり、それぞれ男性用大浴場・女性用大浴場として使用されていて、毎日20時に男女の入れ替えが行われています。私たちが湯めぐりで訪れた日は、20時までは「山の湯」が男性用大浴場・「川の湯」が女性用大浴場で、男女の入れ替えが行われた20時以降はその逆になっていました。

ということで、ここで夫とは別れて、夫は「山の湯」へ、私は「川の湯」に向かいます。「川の湯」は、1階ロビーを右に曲がって突き当りを左に真っすぐ進んだところにあります。



大浴場「川の湯」の脱衣所は、想像していたよりもコンパクトでした。「九兵衛旅館 」の本館も総客室数が13室しかない小宿で、湯めぐりでの訪問客を入れても利用者は限られるため、それほど大きな設備は必要ないのかもしれません。


脱衣所にはウォーターサーバーが設置されているので、入浴前の水分補給を忘れずにしておきます。

脱衣所には、POLAの「ESTHE ROYER(エステロワイエ)」シリーズのモイスチャーローション(化粧水)とモイスチャーミルク(乳液)、男性用のアメニティとして POLA の「AQUA BALANCE HOMME(アクア バランス オム)」シリーズのヘアリキッドとヘアトニック、資生堂の「 BRAVAS(ブラバス)」のアフターシェーブローションが備え置かれていました。大浴場「川の湯」の脱衣所に備え付けのヘアドライヤーは、Panasonic製の「ionity(イオニティ) EH-NE5J」でした。



(〇が持ち帰り可、✖が備え付け)
- ヒゲソリ
- コットン
- シャワーキャップ
- 綿棒
- アフターシェーブローション(「資生堂 BRAVAS」)
- ヘアトニック(「POLA AQUA BALANCE HOMME」)
- ヘアリキッド(「POLA AQUA BALANCE HOMME」)
- モイスチャーローション(「POLA ESTHE ROYER」)
- モイスチャーミルク(「POLA ESTHE ROYER」)

脱衣所のチェックを終えたところで、いざ大浴場「川の湯」の湯殿に突入です!





なんとも幻想的な湯殿!
浴槽向かいの壁一面に大きな水槽が設置されていて、水槽の中では40~50匹ほどの金魚がゆらゆらと泳いでいます。
しかも、湯口には湯の花(温泉成分の結晶)がたっぷり付着していて、源泉の濃厚さも感じられます。
浴槽の定員は7,8名といったところでしょうか。洗い場は4つ設けられています。

大浴場「川の湯」に備え置きのバスアメニティ(シャンプー、コンディショナー、ボディソープ)は、DHCオリーブゴールドシリーズとフタバ化学のお茶シリーズの2つのラインナップでした。そのほか、POLAのクレンジングウォッシュ(メイク落とし)とシェービングフォームもありました。



大浴場「川の湯」での入浴が18時前後と、かなり遅めだったこともあり、入浴中は広々とした大浴場を1人で独占して貸切状態で湯浴みを楽しむことができました。
水槽の中をゆらゆらと泳ぐ金魚を眺めながらの温泉での湯浴みは、これまで体験したことのない非日常空間にどっぷりと浸かることができて、心身ともにリラックスできること間違いなしです。私たち夫婦はこれまでにたくさんの景観風呂・露天風呂を体験してきましたが、景観に恵まれていない地域でも圧倒的な非日常感に包まれるこの発想は目から鱗のアイデアでした。
「九兵衛旅館 」の「川の湯」の温泉自体は無色透明で無臭だったので、ゆっくりと長湯ができました。また、源泉掛け流し(加温あり)のアルカリ性のお湯は柔らかい肌触りで、湯上がり後には肌もスベスベになります。
【「九兵衛旅館 」の大浴場「川の湯」の基本情報(温泉分析書より引用)】
利用時間 | 14:00~翌10:00 (20:00 男女入替) ※19:30~20:00は男女入替え・清掃のため入浴不可 |
内容 | 内湯 |
源泉 | 湯田川1号源泉 |
泉質 | ナトリウム-カルシウム・硫酸塩泉(低張性-アルカリ性高温泉) |
泉温 | 42.2℃ |
pH値 | 8.7 |
効能 | リウマチ、痛風、尿酸素質、創傷、高血圧症、動脈硬化症 病後回復期、疲労回復など |


18:40~ 夕食
「九兵衛旅館 」の大浴場での湯浴みを終えたら、「九兵衛旅館 別館 珠玉や」の建物に戻ってお待ちかねの夕食です。
「九兵衛旅館 」は料理が美味しいことで有名ですが、別館の「 珠玉や」でも本館で提供されるものと変わらない会席料理をいただくことができます。
夕食の会場となる「ごっつお処 たんと」は、エレベーターを2階で降りたすぐ目の前にあります。


「ごっつお処 たんと」のホール内は、仕切られた半個室のスペースにわけられていて、食事中のプライバシーが確保されています。
一つだけ長いテーブル席があったので、複数組での宿泊や家族連れの宿泊客だとこちらの長いテーブル席をアサインされるのかもしれません。




私たちが「ごっつお処 たんと」に到着すると、他のゲストたちはディナーの真っ最中で、他の席はすべて埋まっていました。私たちがアサインされたのは、一番右奥のテーブル席でした。料理の一部もすでにセッティングされています。

美食の宿で有名な「九兵衛旅館 」でも提供されているものと同じ料理をいただけるということで、セッティングされた料理を目の前に興奮を抑えつつ着席です。

まずは、テーブルの上にのっていたお品書きを広げて、本日の料理を確認です。料理の名前だけではイメージの湧かないものもあり、ますます期待感が煽られてしまいます。

とりあえずドリンクを注文ということで、私はビール(プレミアムモルツ400ml、730円)を、夫はしょっぱなから「楯野川 純米大吟醸 凌冴(りょうが)」(山形・楯の川酒造、1合1,100円)を注文して、美味しい料理とのマリアージュに備えて準備は万端です。

ここからは夕食で提供された料理を順番に紹介してきます。
だだちゃ豆の和風ムース
最初のスタートはコレ!「九兵衛旅館 」でも提供されている看板メニューの一つの「だだちゃ豆の和風ムース」です。事前のリサーチでもこちらの料理を写真で知って、ぜひとも食べたかった一品です。

スタッフさんからは、早く食べないと風味が落ちてしまうと言われたので、写真におさめたらすぐに実食です。
上にのっている餡は和風だしの餡ということで、一口含むと最初に冷たい舌ざわりがやってきて、その後に時間差でだだちゃ豆の食感がやってきます。ムースの中には、冬の季節の野菜として具材にゆり根が含まれていますが、夏の季節にはこれがとうもろこしに変わるそうです。
さすがの看板料理といった感じで、今まで味わったことのない味覚体験でした。
前菜
続いては、前菜として提供された4品(「煮帆立と春菊」「焼き〆鯖の土佐酢」「チーズ豆腐」「酒田沖船凍イカの塩辛」)です。色合いのバランスも考えられていて、見た目からして食欲がそそられます。

この4品どれもが美味しかったのですが、「チーズ豆腐」はブランマンジェのような食感でありながら、味は甘くなくクリームチーズに近い味わいで記憶に残る逸品でした。
あと、煮帆立はとっても肉厚で、シャキシャキした春菊とのバランスが最高でした。

お造り
続いてのお造りは、「アラ(クエ)」「平目昆布〆」「生蛸」「北寄貝」でした。

大トロや帆立といった定番のネタではなく、冬が旬の地産ネタを提供してもらうことで、アラ(クエ)や北寄貝など外食でも食べる機会の少ない魚介ネタの美味しさを再認識させてもらいました。
ここで、お造りにペアリングして、「白露垂珠(はくろすいしゅ)」の純米吟醸(山形・竹の露酒造場、1合1,150円)を追加でオーダーしました。

鰯の酒盗焼き
夕食が少しずつ佳境に入ってきた4品目は、「鰯の酒盗焼き」です。

酒盗(カツオの内臓の塩漬け)をお酒でのばしたものに漬けた鰯とのことですが、生臭さは全くなく、魚の脂の旨味と塩加減がちょうど良く、絶品でした。夫は今回の料理ではこちらが一番気に入ったようです。
付け合わせの大根おろしと菊と合わせれば、さっぱりといただけます。
もう一つの付け合わせは、庄内地方で慶弔の料理として提供されることの多い「蒸し玉子」です。こちらは、卵寒天のような甘い味付けで、庄内地方の出身の方以外は初めて体験する味だと思います。
山形さくらんぼ地鶏の豊年揚げ
魚料理ときたら、次は肉料理の「山形さくらんぼ地鶏の豊年揚げ」です。稲穂に見立てたお米のポン菓子は「オーベルジュ 鈴鐘」(福島・磐梯熱海温泉)に宿泊したときのディナーでも出てきたものですね。

こちらの料理は一見すると、鶏の竜田揚げのようにも見えますが、よく見ると鶏肉の下にはお餅が挟まっていました。甘めのタレと揚げた鶏肉ともっちりしたお餅の食感が口の中であわさると、こちらも初めて味わうような食感と味覚がやってきます。

こうしたありきたりな食材でも組み合わせと調理方法・味付けで、斬新な仕上がりまで持ってくるのは、料理で宿泊客を唸らせているだけのことはあります。
庄内浜ズワイガニの新丈蒸し
メインの魚料理と肉料理を終えたタイミングで、「庄内浜ズワイガニの新丈蒸し~銀あんかけ」の登場です。

こちらの料理は、メインディッシュを終えた胃腸をいたわるような上品で優しい味でした。
お食事
〆のお食事は、「いくらご飯」で、お米は特別栽培米の「雪若丸」です。こちらに「なめこ、もだしのお味噌汁」と「温海かぶの甘酢漬け」などの漬物がつきます。

この雪若丸の新米のご飯が今まで食べたことのないレベルで美味しく、いくらをのせた雪若丸を1口運ぶと、口の中が幸せいっぱいに包まれて悦に入ってしまいます。

雪若丸という品種のお米自体、耳にしたのは初めてだったのですが、日本酒の原料にもよく使われるそうで、夕食での提供は今年が初めてとのことでした。ご飯はおかわり自由とのことだったので、私たちはもちろん、周りの席のゲストのみなさんもあちこちで超絶美味の雪若丸をおかわりをしていて大人気でした。
デザート
最後に、デザートの「宿屋の自家製あんみつ 庄内麩のフィユタージュ」で締めくくりです。こちらは庄内麩を焼いてパイ生地のように仕立てたものです。他に、餡子、抹茶とバニラのアイス、牛乳寒天、抹茶寒天、白玉と盛りだくさんのボリュームで、なんとか別腹にギリギリおさめることができました。

「九兵衛旅館」の別館ということもあって、かねてからの評判どおり、この料理を食べるためだけに「 珠玉や」に宿泊してもいいと思えるようなクオリティ・内容でした。
それでいて、高級食材ばかりを使っているというわけではなく、私たちが普段触れる機会の多い食材も多く、一般的な食材を手間や工夫を加えて旬の時期に提供することで、これだけ印象に残る料理に様変わりするというのは本当に驚きでした。
「九兵衛旅館 別館 珠玉や」の料理についても、基本的には仕込みは本館の「九兵衛旅館」でまとめて行っているということのようですが、たまに「 珠玉や」オリジナルの料理が出てくることもあるようです。
次の機会には、本館の「九兵衛旅館」に泊まって、ディナータイムの雰囲気を含めて本館の夕食を味わうことを心に決めて、「ごっつお処 たんと」をあとにしました。
今回は、「九兵衛旅館」の大浴場「川の湯」と滞在中のメインイベントとなる夕食を紹介しましたが、「九兵衛旅館」グループ間での湯めぐりスポットはこんなものではありません。次回は1日目のアフターディナータイムにまわった湯殿をまとめて紹介していきます。
【続く】
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