「オーベルジュ 別邸 山風木」の完全攻略ブログ記事のその3です。
今回は、ディナータイムのレポートを通じて、「別邸 山風木」のオールインクルーシブサービスの核心に迫ります。
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今回の宿泊中のスケジュール(モデルプラン)
1日目 |
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15:00 チェックイン |
15:15 ルームツアー |
15:45 入浴(貸切露天風呂) |
16:30 ウェルカムサービス |
17:00 入浴(大浴場「月と風の湯」) |
18:00 ディナー ⇐いまココ! |
20:30 館内散策 |
21:30 夜食 |
23:30 就寝 |
2日目 |
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7:30 起床 |
8:00 朝食 |
9:00 ティータイム |
9:15 入浴(大浴場「風と木々の湯」) |
10:00 チェックアウトの準備 |
11:00 チェックアウト |
1日目(続き)
18:00~ ディナー
源泉かけ流し温泉とサウナですっかりリフレッシュしたら、ディナーの時間が迫っている頃になりました。
「別邸 山風木」のディナーでの席は、予約制ではなく先着順で好きな席を選べるシステムなので、いい席は早い者勝ちです。
私たちは、事前のリサーチでそのことを把握していたので、1番人気の窓側カウンター席の左端の席をゲットすべく、17時30分すぎには入浴を終えて、17時50分頃には、ディナー会場である「ロータスダイニング」に向かいました。
が、しかし!
私たち夫婦が1番乗りだと思って自信満々で「ロータスダイニング」の入口に着くと、すでに先着のゲスト1組が入口前の椅子に座って待っているじゃないですか・・・・・・。完全にディナーの席の争奪戦の激しさの予測を見誤りました。。
というか、むしろ先頭の2人は椅子に座って「ロータスダイニング」の開場を待っていられるぶん、その後ろで立って待っていなければいけない後続組よりも圧倒的に楽です。私たちの後にも続々と他のゲストがやって来て、17時55分の時点で私たちを含め7組ものゲストが列を作って「ロータスダイニング」の開場をいまかいまかと待ち構えていました。
18時になるとスタッフさんが入口ドアを開けてくれるので、「ロータスダイニング」にいざ入場です。
「ロータスダイニング」の内観は、特別な許可をいただき、16時30分頃に撮影させていただいたものです。
テーブル間の距離は十分にとられているので、ゆったりと大人の上質なディナータイムを楽しむことができます。
「ロータスダイニング」の入口を入ってすぐ左にはワインセラーが、反対側の右には2人用の半個室席が設置されています。
そして、順番待ちで先頭から2組目に甘んじてしまった私たち夫婦が確保した席はというと、窓側カウンター席の右端の席とその隣の席でした。
窓側カウンター席の左端の席を確保するのには失敗しましたが、これは負け惜しみでも何でもなく正直ディナーでの席は窓側カウンター席にこだわる必要は全くなかったです。というのは、10月末にもなれば18時以降は日が完全に沈みきって外が暗いので、窓には自分たちの姿が反射して映ってしまい、ライトアップされた中庭の景色にはほとんど注意がいかなかったからです(景色の写真を撮ろうとチャレンジはしてみましたが、窓に反射した中の様子しかおさめられないので断念しました)。。
ちなみに、日没前の16時30分頃の「ロータスダイニング」のカウンター席からの景色はこちらです。日の入りが遅い季節(5月~8月)には、ディナータイムにも窓側カウンター席からこうした中庭の景色を楽しむことができるのでしょうね。
私たちが窓側カウンター席の右端に陣取ると、スタッフさんがお品書きを持ってきてくださいました。お品書きには、各料理にあうドリンクのペアリングも提案されているので、これは一通り試したくなっちゃいます!
オールインクルーシブサービスの一環として、お品書きの一番左の「本日のお飲み物」欄に書かれているドリンクは、ディナータイム(18:00~20:00)の間、フリードリンクになっています(それ以外の一部のプレミアム酒、ボトルワインなどは別途有料)。
これだけの種類のドリンクが全て宿泊料金に含まれているのですから、お財布を気にせずに深酒をしちゃうのは覚悟しなきゃです!
(2023年10月27日時点のもの)
【アルコール類】
- カールスバーグ(生ビール)
- アンジュエール・プリュッド(スパークリングワイン)
- セニョリオ デ オルガス RED(赤ワイン)
- セニョリオ デ オルガス WHITE(白ワイン)
- バランタイン(ウイスキー)※ハイボール、水割り、ロック
- 青鹿毛(麦焼酎)※ソーダ割、水割り、ロック
- 加江田(芋焼酎)※ソーダ割、水割り、ロック
- 超梅(梅酒)※ソーダ割、水割り、ロック
- 小正のゆず酒(ゆず酒)※ソーダ割、水割り、ロック
- レモンサワー
- ホワイトサワー
- 翠ジンソーダ
- 自家製モスコミュール
- 宮寒梅 純米超辛口 寸鉄(日本酒)
- あたごのまつ 鮮烈辛口(日本酒)
- 一白水成 良心 特別純米酒(日本酒)
- 白瀑 ど辛 純米酒(日本酒)
【ノンアルコール類】
- 自家製炭酸レモネード
- コカコーラ
- 辛口ジンジャエール
- オレンジジュース
- ノンアルコール梅酒 ※ソーダ割、水割り、ロック
- オールフリー
- ウーロン茶
- ジャスミンティー
- ほうじ茶
前菜にあわせる私たちの最初のドリンクは、お品書きに書かれていたペアリングの提案そのままに、私はスパークリングワイン(アンジュエール・プリュッド)を、夫はビール(カールスバーグ)を、それぞれ頼みました。
メインイベントであるディナーがいよいよ開始ということで、ここからはディナーで提供された料理を順番に紹介してきます。
おばんざい
「別邸 山風木」では、会席スタイルのコース料理とは別に、おばんざいがハーフビュッフェ形式で提供されます。おばんざいは、18時を迎えた時点で、一番奥のカウンターに置かれて提供が開始されていました。
私たちが宿泊した2023年10月27日のディナーで提供されていたおばんざいは、全部で7種類(「玉こんにゃく」「特製肉じゃが」「キュウリの浅漬け」「スライストマト」「中華風炒め」「おからのポテトサラダ風」「揚げ出汁豆腐と茄子の煮びたし」)でした。
もちろん、私たちも少しずつ全7種類のおばんざいを全て取り揃えて、夫婦でシェアしました。
この中では、「特製肉じゃが」と「おからのポテトサラダ風」が印象に残る味でした。「特製肉じゃが」は、じゃがいもの甘さが際立つ丁寧な味付けで、自分で作ったりスーパーで買うじゃがいもとは似て非なる、プロじゃないと出せない上品な味でした。今回初めて食べた「おからのポテトサラダ風」は、普通のポテトサラダと比較すると、いくぶんサラッとした食感なのですが、味付けがしっかりしているので飽きがこず、おかわりまでしちゃいました。
前菜
そして、最初の前菜からディナーがスタートです。細長いワンプレートに9種類の品が並んでいます。
薄水色のお皿を含めて、色鮮やかな色彩が見た目にも美しく、食欲を掻き立ててくれます。
どれもこれも手の込んだ料理で、どれも滋味深い味わいでした。「べっこう玉子」は今回初めて食べたのですが、黄身のかたまりが濃厚で、滋養強壮効果も高そうな一品です。
椀物
続いては、椀物「湯葉のすり流し」です。
こちらのお料理はともかく上品な味で、前菜とおばんざいで活発に動き始めた胃腸をいったん優しく落ち着かせてくれました。中に入っているよもぎ麩もモチモチした食感で美味しかったです。
夫は、ここで「宮寒梅 純米超辛口 寸鉄」(宮城・寒梅酒造 )をオーダーしました。レストランや居酒屋のドリンクメニューに載っているような銘柄の日本酒をオールインクルーシブでいただけるものだから、そりゃ当然オーダーしますよね。こちらは、爽やかな香りと酸味が特徴的でした。
「お造り」
コース3皿目のお造りは、「本鮪・牡丹海老・虹鱒」です。鮮度が申し分ないことは、写真を見れば一目瞭然ですね。虹鱒は地元蔵王産で、上にのっている紫蘇の実は好みで散らしていただきます。
ここでのドリンクは、お品書きにあった提案にあわせて私は白ワイン、夫は「あたごのまつ 鮮烈辛口」(宮城・新澤醸造店 )をペアリングしました。ドリンクが有料だと日本酒1合頼んでシェアすることが多いのですが、こうして各々が好きなものを気兼ねなくオーダーできるのが、オールインクルーシブのいいところ!白ワインも日本酒もスッキリしていて、お造りとの相性もバッチリでした。
お口直し
ここで、メイン料理に行く前に、お口直しの「柚子のシャーベット」で、いったん箸休めです。
メイン
メインの料理は、「仙台牛のステーキ」・「三陸産・牡蠣とフォアグラのステーキ」・「吉次の炙り焼き」の3種類の中からの選択制です。
ここで、私は「吉次の炙り焼き」を選択しました。言わずと知れた高級魚「吉次の炙り焼き」は、火加減がちょうどよく外はパリパリ中はしっとりした身を、生姜たれや大根おろしでいただきます。身を口に運ぶごとに肉厚な身と上質な脂が口の中に広がり、幸福感で満たされました。
夫は「三陸産牡蠣とフォアグラのステーキ」を選択しました。牡蠣は香草バター焼きで、フォアグラはオニオンステーキソースだと思います。想像していたものよりも小ぶりだったのが残念だったようですが、上質な牡蠣のエキスとフォアグラの脂をしっかり堪能していました。
ここでのペアリングは私も夫も日本酒で、私は「一白水成 良心 特別純米酒」(秋田・福禄寿酒造)を、夫は「白瀑 ど辛 純米酒」(秋田・山本合名会社)を、それぞれオーダーしました。
どちらも美味しかったのですが、「一白水成 良心 特別純米酒」が美味しすぎました。飲み口がとても軽く、口に含むとスーッと米の旨味が広がっていきます。あまりに美味しく飲みやすかったので少し調べてみると、総数1,772点の日本酒が出品された「SAKE COMPETITION 2018」の純米吟醸部門で、上位10%に与えられる 「SILVER」 の栄冠を獲得した実績もある銘酒でした。
煮物
このタイミングで「蔵王山里芋の煮物」の登場です。甘めの味付けは、山形県の郷土料理「芋煮」を上品にしたような優しい味でした。
〆に向かう流れの中で、私は「自家製モスコミュール」をオーダー。ジンジャーが効いていて美味しかったです。夫のほうは、赤ワインや「一白水成 良心 特別純米酒」をオーダーしたりと、完全に呑兵衛モードに突入です笑。
お食事
そして、お待ちかねの〆のお食事はもちろん「秋の名物 はらこ飯」です。宮城県民である私たちはこれを食べに来たと言っても過言ではない、秋のシーズンに必ず一度は食べておきたい郷土料理です。窯の中には、キラキラと輝くいくらと鮭の身が入っていて、これはもう眼福すぎます!
鰻のタレと一緒で継ぎ足しながら管理されているタレで炊き上げられた「はらこ飯」は、甘めのご飯と淡白な鮭の身、プチプチした食感のいくらがベストマッチしていて、秋の訪れを感じさせてくれる逸品です。仙台味噌の味噌汁と漬物をあわせていただきながら、充実したディナーの〆にふさわしい風味豊かな秋の味覚を最後まで味わい尽くしました。
デザート
最後に、デザートの「不忘果樹園の洋梨カリフォルニア フルーツグラタン」で締めくくりです。「カルフォルニア」という外側が赤い洋梨の品種をブリュレのようなカスタード系のソースとあわせていただきます。ドリンクは、コーヒー・紅茶・ルイボスティーの3種類からチョイスできたので、私はルイボスティーを選びました。
さすがオーベルジュを謳っているだけのことはあり、ディナーを終えた後の満足感が段違いでした。先日宿泊した福島県の「オーベルジュ鈴鐘」と比べると、独創性の高い料理よりも定番料理のほうが多めでしたが、どれも期待を裏切らない安定した美味しさで、最後まで口の中が幸せで満たされていました。
ハーフビュッフェ形式でのおばんざいの提供も画期的で、この方式だとコース料理の進み具合や量を見ながら、その都度追加したい量だけおばんざいに手を伸ばせるので、普段たくさん食べる方でもディナーの量が少なすぎて食べ足りなかったりということはないと思います。
そこに加えて、ディナータイム(18:00~20:00)はフリードリンクで、提供されているドリンクも上質なものが揃っているものですから、お財布を気にすることになく、限界に達するまで最高の料理と最高のドリンクで胃袋を満たすことができました。
20:30~ 館内散策
思う存分飲み食いしたディナータイムを終えて客室に戻ったら、やや飲みすぎの感があった夫がそのままベッドに打っ伏してしまい、起きてくる気配がありません笑。
私も少し酔っていたので30分ほど部屋で水を飲んだりして小休憩をとっていましたが、せっかくの大人の宿での夜をこのまま寝て過ごすのももったいないと思って、館内を軽く散策してきました。
ここでは、日中の時間にまわったところを含めて、浴場・ラウンジ・レストラン以外の館内施設を紹介したいと思います。
コミックルーム
「椿ラウンジ」の廊下を挟んだ反対側には、カウンターテーブルで雑誌やマンガ本が読める2畳ほどのスペース(マンガ本が多かったので、「コミックルーム」と呼んでおきます)があります。
ここには、新聞(河北新報、日本経済新聞、スポーツニッポン)や大人向けの雑誌(「和樂」「&Premium(アンドプレミアム)」「ENGINE(エンジン)」「OCEANS(オーシャンズ)」「東京カレンダー」)とともに、マンガ本の単行本が本棚いっぱいに置かれています。マンガ本のラインナップも、青年誌で連載されていたような大人向けのものでした。
ライブラリールーム
フロントデスクの隣にも本が所蔵されている小さな部屋(こちらは「ライブラリールーム」と呼んでおきます)があります。
ライブラリールームのスペースはコミックルームよりもさらに狭く1畳ほどのスペースしかありません。さながら屋根裏部屋のような雰囲気の狭い室内に設置された本棚には、小説などのお堅い書籍が並べられていました。
売店
「別邸 山風木」の正面玄関を入ってすぐ左には売店(営業時間15:00~21:00/7:00~11:00)があります。
コンパクトでオシャレな空間では、アンティーク雑貨、益子焼の焼き物、仙台味噌など一般的な旅館のお土産コーナーには置いてないようめずらしいアイテムが数多く並んでいます。
鳥居と御稲荷様
館内から非常口を出て貸切露天風呂に行くところで階段をあがらずに、ペット同伴可の客室(「紅」「蒼」)につながっている屋根付き外廊下を真っすぐ進んだ途中には、鳥居と御稲荷様があります。
ここに鳥居と御稲荷様が設置されている理由は不明ですが、宿泊ついでに拝んでいくと何かいいご利益があるかもしれません。
喫煙所
「別邸 山風木」の館内は全面禁煙です。喫煙者の方は、正面玄関外の向かって左に設置されている喫煙所でたばこを吸いましょう。
他の客室
共有スペースではありませんが、ここで他の客室についても簡単に紹介しておきます。
「別邸 山風木」の客室は全13室で、うち3室は客室露天風呂付きのスイートタイプで、2室はペット同伴可+プライベートドッグラン付の別棟客室です。
客室 | 仕様・間取り | 景観 | 客室風呂 | ペット |
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撫子・萌黄・桔梗・丁子 | 和室+サンルーム 28㎡ | |||
茜・縹・水 | 和室(低床ベッド)+サンルーム 28㎡ | |||
虹 | リビング+ベッドスペース 41㎡ | |||
蒼・紅 | 別棟・洋室+リビング+ベッドルーム+シャワールーム プライベートドッグラン付 60㎡ | |||
橙・藍 | 和室+ベッドルーム+サンルーム+露天風呂 40㎡ | |||
菫 | 和室+ベッドルーム+サンルーム+露天風呂+シャワールーム 40㎡ |
料金的には客室露天風呂が設置されている「菫」「橙」「藍」が他の部屋よりも高めで、次にペット可・プライベートドッグラン付の別棟「蒼」「紅」、そして2階にある「虹」と続き、低床ベッドがある客室(「茜」「縹」「水」)>和室(「撫子」「萌黄」「桔梗」「丁子」)という順番になっています(2023年11月時点)。
13室ある客室の中で1番贅沢な仕様になっているのは、客室露天風呂付きの客室(「菫」「橙」「藍」)ですが、「別邸 山風木」は、2つの大浴場に加えて、2022年2月に新設された貸切露天風呂もあるので、そちらをまわるだけで手一杯で客室露天風呂は大して使わずじまいになりそうでしたし、客室露天風呂付きの客室からの景観が期待できなかったことも考えて、客室露天風呂付きの客室は避けました。
また、私たちは美しいと噂の中庭の景観を楽しみたかったので、2階にある客室(「虹」)も避けました。
個人的には、客室露天風呂まではいらないという方であれば、「和室+サンルーム」タイプ(撫子・萌黄・桔梗・丁子)か、「和室(低床ベッド)+サンルーム」(茜・縹)のどちらかでいいんじゃないかと思います。ただし、「水」の客室は「ロータスダイニング」の窓際カウンター席からテラスが丸見えになってしまう位置関係にあるので、避けたほうがいいんじゃないかと思います。
21:30~ 夜食
館内散策を終えて、部屋に戻ったらサンルーフテラスのマッサージチェアでくつろぎながら、夜食をいただきます。
ディナーを終えて「ロータスダイニング」を後にしようとするタイミングで、スタッフさんから夜食として持たせていただいた「カットフルーツ(マスカット・オレンジ・パイナップル)」です。
どんなにお腹いっぱいまで食べても少し時間が経つと小腹がすいちゃうものなので、こうしたサービスはとても嬉しいですね。
23:30 就寝
夜食を食べ終えた後は、部屋でのんびりくつろぎ、23時30分頃になったところで、私も就寝します。ちなみに、ディナーを終えて客室に戻った直後にベッドにベッドに打っ伏した夫は、結局起きてきませんでした笑。
【続く】
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