前回に引き続き星野リゾートの温泉旅館「界 秋保」のブログ記事その2です。
今回は、東北地方の温泉旅館ではめずらしい足湯付きのテラスを併設したラウンジや、オリジナルプログラム「温泉いろは」などをレポートしていきます。「界 秋保」での滞在はディナータイム前からさすがの充実っぷりだったので、今回のレポートを参考にして上手くスケジュールを組んでみてください。
宿泊中のスケジュール(モデルプラン)
1日目 |
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14:30 チェックイン |
14:45 ウェルカムサービス |
15:00 ルームツアー |
15:30 足湯タイム ⇐いまココ! |
16:15 温泉いろは |
16:30 入浴(大浴場) |
17:30 夕食 |
19:30 ご当地楽 |
20:15 テラスで夕涼み |
21:00 楽器の生演奏を鑑賞 |
22:00 就寝の準備 |
23:00 就寝 |
2日目 |
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6:45 起床 |
7:00 現代湯治体操 |
7:45 朝食 |
8:45 テラスで食後のコーヒータイム |
9:30 朝風呂 |
10:15 お土産ものをチェック |
11:00 チェックアウトの準備 |
12:00 チェックアウト |
1日目(続き)
15:30~ 足湯タイム
客室のルームツアーを終えたら、これから館内の移動を開始するにあたって、さっそく館内着の作務衣に着替えて半纏(はんてん)を羽織ります。
「界 秋保」の作務衣はあまり見かけない帯を締めるタイプだったので少し戸惑いましたが、客室ファイルの中に館内着の着方に関する手引きがあったので、この手引きに従えば綺麗に着こなせました。
あと、もう一つ戸惑ったことは温泉旅館には必ずあるはずの湯かごがなかったことです。館内着の作務衣や半纏にはポケットがついていなかったので、最初は移動のたびに不便に感じていましたが、他のゲストをよくよく観察してみると、皆さんの手には湯かごの代わりに風呂敷があるじゃないですか!
「界」自体への宿泊が初めてだったので知りませんでしたが、「界」での移動ではアメニティを包んでいた風呂敷を湯かごやバッグ代わりに使うようです(この風呂敷は自宅に持ち帰ることができます)。
館内を移動する準備がととのったところで、まずは今回の滞在で足繁く通うことになりそうな24時間利用可のラウンジに移動してみます。
「せせらきラウンジ(トラベルライブラリー)」は宿泊棟の1階にありますが、この階にはラウンジ(エレベーターを降りて左側)と食事処(エレベーターを降りて右側)しかないので、迷うことなくたどり着けます。
せせらぎの古語で浅瀬に水が流れる音を表す。また「瀬々(せせ)」という言葉には、「浅瀬」という意味以外にも、「その時々」という意味がある。(参照:「界 秋保」公式サイト)
さて、「界 秋保」へのリブランドを象徴するパブリックスペース「せせらきラウンジ」のしつらえはいかに、、
これは混雑必至の上質なリラックス空間です!
ラウンジ中央にある秋保石の台には、立派なドウダンツツジの生花が飾られていて、ラウンジの空間に彩りを与えています。
「せせらきラウンジ」は、館内図上では「トラベルライブラリー」との名称が付けられているとおり、宮城仙台の土地·風土を意識した書籍が取り揃えられています。また、本棚に並べられている書籍は、ラウンジ内に限らず客室に持ち帰って読むこともできます(「トラベルライブラリー」は、「界」の各施設に設置されているパブリックスペースの統一呼称のようです)。
そして、「せせらきラウンジ」の外には、
雄大な渓流沿いの大自然に五感で浸ることができる、絶景テラスが併設されています!
そして、一番の推しスポットはこちら!
絶景を目の前に温泉で和める、足湯処です!!
ラウンジからテラスへ出る際の掃き出し窓の近くには、足湯用のバスタオルが完備されているので、いつでもタオル片手にテラスに出て、気軽に足湯を愉しむことができます。
足湯の温泉は、加水・加温処理や循環ろ過・消毒処理をされているものですが、塩素臭などはまったく感じなかったので、大自然に囲まれたゆったりとした環境で、時間を気にせずにのんびり足湯を愉しむことができます。
名取川の渓流に育まれた大自然のマイナスイオンを体いっぱいに浴びながら、足元では温泉に浸かっていると、心身ともにいい感じにほぐれてきて、リトリートモード全開です。
仕事や生活から離れた非日常的な環境に身を置いて、自分自身に意識を向け、ゆったりとした時間を過ごすこと
「界 秋保」(旧「ホテルきよ水」)は、秋保エリアの中心地からはやや外れた場所にあるのですが、この足湯付きテラスは、大自然に囲まれた渓流沿いにポツンと建っているという立地を思う存分にいかして、圧倒的な非日常感を体験させてくれる星野リゾートらしいファシリティになっています。ここは個人的にお気に入りのスポットになりました。
【「界 秋保」の足湯の基本情報(温泉分析書より引用)】
内容 | 足湯 |
利用時間 | 15:00~24:00/6:00~12:00 |
源泉 | 清流鉱泉・2号清流泉 混合泉 |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(低張性-弱アルカリ性高温泉) |
泉温 | 60.2℃ |
pH値 | 7.7 |
効能 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症、 筋肉もしくは関節のこわばり又は痛みなど |
そしてそして、15時30分を迎えると、「せせらきラウンジ」に新たなお楽しみが追加されてきます!
「せせらきラウンジ」では、毎日15:30~22:00の時間帯で、ワインやウイスキーなどのドリンクや、お菓子が提供されるのです。もちろん、これには別料金はかからず、宿泊料金に含まれているオールインクルーシブなので、お財布のことを気にしないで好きなだけいただけちゃいます!
ということで、「せせらきラウンジ」で毎日15:30~22:00の時間帯に提供されるドリンクや和菓子をチェックしていきます。
アルコール類
アルコール類は、ワイン(「秋保ワイナリー メルローロゼ2023」、「ニッカ アップルワイン」)、ジン(「クラフトジン 欅(けやき)」)、ウィスキー(「ブラックニッカ リッチブレンド」)のラインナップでした。
どれも宮城仙台の地にゆかりのアルコールドリンクが取り揃えられています。宮城仙台には、キリンやサッポロのビール工場がありますが、残念ながらビールの提供はなしです(そこまでしちゃうと、ディナータイムに有料のドリンクをオーダーする人がいなくなっちゃいますからね)。ただ、炭酸水の提供があるので、強いお酒が苦手な方は炭酸水で割ってジンソーダやハイボールを作ることができます。
ノンアルコール類
ソフトドリンク系では、コーヒーマシーンで淹れる「コーヒー」「エスプレッソ」「アメリカーノ」(どれもデカフェに変更可)、紅茶3種(「レモンジンジャー」「スリ-プウェル」「ダージリン」)、そして春のドリンクとして「桜茶」が提供されていました。
おつまみ類・お茶菓子
「界 秋保」では、おつまみ・お茶請けも宮城仙台の地を意識した個性的で豪華なラインナップになっています。
まず一番に目を惹いたのが、まるで宝石箱におさめられた宝石を思わせる、煌びやかな仙台駄菓子の数々です!
江戸時代から脈々と受け継がれている、伝統的で素朴な菓子。穀類、木の実、黒砂糖、水飴を使い、昔ながらの手作りで作られている。その特徴は、種類の豊富さにあり、素材や形、製法の異なる菓子が50~60種類あると言われている。「ささら飴」「うさぎ玉」「ねじり」「おこし」などは、見た目も可愛らしく、全国的に人気が高い。(出典:農林水産省公式ホームページ)
それだけでなく、単価が高いくるみゆべし(「九重本舗 玉澤」の「杜のゆべし」)、上生菓子(練り切り)も1個単位で惜しみなく提供されていて、これはポイント高すぎです!
干菓子系の提供もありました。こちらも宮城仙台の風土を意識したラインナップで、「みやぎのあられ ざらめ」「みやぎのあられ 松島のり」「仙台麩のかりんとう 仙台味噌」「仙臺まころん」「仙台豆ソイチョコ」の5種でした。
私が15時30分にあわせて「せせらきラウンジ」にやってきた理由も、実はこのラウンジでの飲食目当てでした笑。
ということで、童心に帰って気に入ったものを好きなだけセレクトして両手に抱えながら、絶景を望めるテラス席に腰かければ、憧れた大人の休日の到来です!
秋保ワイナリーのワイン・桜茶や仙台駄菓子・上生菓子などの単品別料金だと手を出しづらいものを、ここまで思い切りよく提供してもらえると、ゴージャスな休日を過ごせている感があって、気分も自然と上がっちゃいます。
欲をいえば、甘いお菓子が多くお酒があまり進まないので、つまみになるチーズ系・ナッツ系なども一部取り入れてもらえれば、完璧なんじゃないでしょうか。
16:15~ 温泉いろは
「せせらきラウンジ」で心身ともにリラックスしたら、16時15分~の「温泉いろは」に参加するために、移動を開始します。
「温泉いろは」は、温泉棟の湯上がり処で開催されるため、エレベーターで宿泊棟の2階に上がり、そこから宿泊棟を出て渡り廊下を歩いて温泉棟に移動します。
一度宿泊棟から出たら、すぐに隣の建物内に入ってひたすら一本廊下を進んでいきます。「界 秋保」での滞在で移動時間を計算に入れておく必要があるのがこの温泉棟への移動のときで、宿泊棟からは3~5分ぐらいの移動時間はみておいたほうがいいと思います。
温泉棟に続く長めの渡り廊下の両側には大きな窓が設置されているので、廊下は明るめです。駐車場が位置している左側方向の窓ガラスには全部すりガラスが使用されていて、ゲストが日常に引き戻されることがないようにしっかりと配慮されていました。
ちなみに、通路右側の窓ガラスは一般的なガラスですが、通路右側には木や竹が目隠しに使われているので、基本的に外は気になりません。ただ、「ホテル きよ水」時代に露天風呂付客室として使われていた離れの建物につながる道路が通っているところだけは、目隠しできなかったみたいです(ちなみに、この離れの建物は今は活用されていなくて、向こう数年間をかけてどう活用していくのかの方針を決めるみたいです)。
ということで、長い一本廊下を渡り切れば、温泉棟に到着です。
あらためて温泉棟の配置を確認しておきます。
温泉棟の手前に設置されているのが湯上がり処です。湯上がり処は、名取川と埋もれ木の情景をイメージしてデザインされたもので、広めの空間にウッドカラー調のソファーや切り株の形のテーブルが配置されています。
湯上がり処の一角には、どちらも定番の湯上がりアイスキャンディーと湯上がりドリンクが常備されていました。
「界 秋保」の湯上がりドリンクは、オリジナルブレンドのはだか麦茶と赤紫蘇ジュースの2種類です。「温泉いろは」でのスタッフさんの話では、入浴前にはだか麦茶を、入浴後には赤紫蘇ジュースをそれぞれ飲むのがおススメとのことでした。
私たちが16時15分少し前に湯上がり処に到着すると、ハイテーブルが設置されていて、テーブルの上には巻物や御朱印帳のようなものが置かれていました。
ちなみに、「温泉いろは」は、秋保温泉の歴史や入浴法について紹介してもらえる毎日16時15分~30分の時間帯で開催されている予約制の無料プログラムで、この日の参加者は私たちを含め5名でした。
詳しくは実際に参加されてのお楽しみですが、秋保温泉の100%自家源泉を体験できたり、秋保温泉の泉質や秋保の歴史に触れることができて、参加して正解でした。
また、「温泉いろは」に参加すれば、御朱印帳ならぬ星野リゾートが発行している「お湯印帳」がもらえます。「お湯印帳」は宿泊棟2階のショップで300円で売られているものなので、これがタダで手に入るだけでも時間があれば参加して損はないと思います。
16:30~ 入浴(大浴場)
宿泊棟から温泉棟までは少し歩かなければいけないことを踏まえると、「温泉いろは」を終えたら、そのまま大浴場で入浴してしまうのが、時間のロスが少なく済みおススメです。
「界 秋保」では、客室ファイルに記載されているQRコードからアクセスすれば、オンラインで現在の大浴場の混雑状況を確認できるようになっているので、大浴場を利用する際の混雑状況が気になる方は、こちらで確認してから温泉棟に向かうのがいいでしょう。
ここから大浴場についても写真付きで詳細に紹介したいところですが、星野リゾートの利用規則では、浴場・脱衣所での撮影が禁止されているので、公式サイトからお借りした画像で簡単に紹介させてもらいます。
大浴場の湯殿は、男湯・女湯ともに、2つの内湯(あつ湯、ぬる湯)と岩組みの露天風呂の合計3つずつの浴槽が完備されています。洗い場・カランは、男湯・女湯ともに、10ヶ所ずつでした。
大浴場を利用するうえで押さえておきたいのが、大浴場のあつ湯では、加水・加温もされていない100%源泉かけ流し(ただし、2本の自家源泉の混合泉)のお湯が供給されていることです(ぬる湯と露天風呂のお湯は、テラスの足湯と同じく、加水・加温処理や循環ろ過・消毒処理がされています)。
露天風呂は、いわずもがな開放感に溢れていて気持ちがいいのですが、加水も加温もされていない100%源泉掛け流しの温泉を供給しているところは限られてくるので(「山形座 瀧波」など)、「界 秋保」に宿泊した機会に、木枠でかたどられているあつ湯の湯殿にもじっくり浸かってみることをおススメします(ぬる湯のほうは本当にぬる湯でした)。
ちなみに、「界 秋保」の大浴場の脱衣所に備え付けのヘアドライヤーは、男湯の脱衣所に備え付けのものが、Panasonic製のナノケアヘアドライヤー(EH-NA9G、実勢価格約2万円)で、女湯の脱衣所に備え付けのものが、Dysonの高価格帯のもの(Dyson Supersonic Ionic HD08、実勢価格約4万円)で、どちらも客室に備え付けのものよりは高いものが使用されていました。
大浴場に備え置きのバスアメニティやスキンケアセットは、客室にあったものと同じ「界」オリジナルのものでした。
【「界 秋保」の大浴場の基本情報(温泉分析書より引用)】
内容 | 内湯(あつ湯、ぬる湯)、露天風呂 |
利用時間 | 15:00~25:00/5:00~11:00 |
源泉 | 清流鉱泉・2号清流泉 混合泉 |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(低張性-弱アルカリ性高温泉) |
泉温 | 60.2℃ |
pH値 | 7.7 |
効能 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症、 筋肉もしくは関節のこわばり又は痛みなど |
ラウンジで大人の休日を過ごし、100%源泉掛け流しの温泉に入浴して、心身ともに完全にゆるみ切ったところで、次回はお待ちかねのディナーに突入です。ディナー以降のお楽しみのプログラムもあわせてレポートしていくので、よければ次回も読んでやってください。
【続く】
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