オーベルジュの本領発揮!「オーベルジュ鈴鐘」の完全攻略ブログ[2/3]

前回に引き続き「オーベルジュ鈴鐘」の完全攻略ブログその2です。

今回は、館内施設、客室天然温泉内風呂、そしてディナーのレポートになります。特にディナーは味もさることながら見た目の美しさにも心を奪われました。オーベルジュということで、料理に関しては皆さんも1番関心が高いところだと思いますので、気合いの入ったレポートにお付き合いください。

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今回の宿泊中のスケジュール(モデルプラン)

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1日目
15:00   チェックイン
15:15  ウェルカムドリンク・スイーツ  
15:30  ルームツアー
16:00  館内を散策 ⇐いまココ! 
17:00  入浴(客室温泉内風呂) 
18:00  ディナー
20:30  部屋でくつろぐ 
22:00  入浴(貸切露天風呂「鈴の湯」または「鐘の湯」) 
23:00  テラスでクールダウン  
23:30  就寝
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2日目
6:45   起床  
7:00   入浴(貸切露天風呂「鈴の湯」または「鐘の湯」)
8:00   朝食
9:00   チェックアウトの準備
10:00  チェックアウト
目次

1日目(続き)

16:00~ 館内散策

「オーベルジュ鈴鐘」では、ゆったりした時間を満喫しようと思いつつ、いつものクセで館内施設にどんなものがあるのかは一通り確認しておこうということになり、客室を出て館内散策に出かけました。

ギャラリー

チェックイン時にスタッフさんに、母屋の3階に2022年2月に完成したばかりのギャラリーがあることを教えていただいたので、まずは散策がてらギャラリーに足を運んでみます。

ロビーから続く階段を上り、2階にはレストラン、3階奥にギャラリーがありました。

ギャラリーの中に進むと、、

そこには煌びやかな調度品・工芸品に囲まれたアートな空間が!

黒を基調としたモダンな造りのインテリアに、色とりどりのお皿や民芸品などが映え、アートに触れる世界を楽しむことができます。また、展示品に値段が書いてあるものは購入できるので、旅の思い出の品にしてもいいでしょう。

奥のカウンターテーブルにはティーバッグ(ローズヒップブレンド、ジャスミン、カモミールブレンド)が備え置かれているほか、ウォーターサーバーとコーヒーマシンも設置されているので、ここでお茶をしながらくつろぐこともできます。

私たちが鑑賞していると、「オーベルジュ鈴鐘」の女将さんがいらして、展示品の説明をしてくださいました。せっかくなので、ここでギャラリーの展示品を一部紹介したいと思います。

高柴デコ屋敷」の大黒屋さんのだるま

展示物の中でひときわ目を引く、大きな黒地に金色のだるまは、郡山市で江戸時代から続く民芸品などの工人の集落である「高柴デコ屋敷」で製作されたものです。
めでたさと珍しさから、お土産として注文をする人が結構いらっしゃるそうです。15号の特大サイズと通常のサイズの2種類がありました。同じお店の腰高虎や腰高兎も、ついほしくなる一品。なんとデザイナーのコシノジュンコさんとのコラボ作品もありました。

食器

女将がセレクションし抜群のセンスが光る食器類も展示販売されています。厳選された有田焼や九谷焼、会津塗、錫の食器など、食器類は見ているだけでも幸せな気分に!私自身焼物に興味があり、ずっと眺めていたくなるほど。一つ一つは高価なのですが、「オーベルジュ鈴鐘」での夕食や朝食で実際に使われているので、実物の盛り付けイメージを実際に見て気に入れば思い切って買っちゃうのも旅の醍醐味ですね。

久谷焼の箸置きコレクションは、1個800円台と値段が手頃なうえに、インテリアとして成り立つくらい美しく、購買意欲がくすぐられました。鈴鐘オリジナルデザインの漆塗りのお椀や木製カラトリーもありました。

赤べこ、起き上がり小法師、三春駒

もちろん福島の民芸品もあります。起き上がり小法師は、赤べこデザインや鈴鐘オリジナルデザインの他、アーティスティックなデザインのものもありました(ハロウィンやアマビエデザインなどラインナップは多彩です)。赤べこはスタンダードな赤色のものから、多色の赤べこ型箸置きまでそろっています。三春駒という郡山の木製郷土玩具も、カラフルな色で集めたくなっちゃいますね。

セカイダイスケさんの絵画

ギャラリーに展示されているものの中には、本格的なアート作品もあります。「人生をアートする」をコンセプトに掲げてニューヨーク、ロンドンなど世界数十カ国で活動するアーティスト、セカイダイスケさんの絵画(花の絵)は22万円(税込)とのこと。

しかも、女将さんのご厚意で、当時はまだ展示されておらずこれから展示予定の絵画も、開封していただき特別に見せてもらいました。こちらの大きな絵画は150万円とのことで、宿泊施設のギャラリーの展示品の域を完全に超えちゃってます!

お守り、払い麻ほうき

神社の鈴を鳴らすための紐(鈴緒)を使ったお守りや払い麻ほうきも販売されています。福島県在住の大麻結び作家の猪俣久美子さんの作品で、女将さんとのご縁があって、猪俣さん作品を取り扱うことになったとのことです。お守りは、梅の花の形を模した二重叶え結びで、ストラップやキーホルダーで持っていてもかわいらしいですね。泥染めや草木染めにより、カラー展開も豊富です。精麻のほうきは、ネガティブなエネルギーを祓うための邪気祓いの備えとして活用できます。


ギャラリーの展示品の品揃えが本格的なギャラリーを彷彿とさせるレベルで、終始興味深く拝見させていただきました。
また、私たちが3階のギャラリーを訪ねてからタイミングを見計らって女将さんがいらしてくださり、直々にギャラリー内の展示品について詳しい説明をしてくださいました。アートへの造詣が深い女将さんの説明を聞いていると、キュレーターのアテンドで美術館内を鑑賞しているような気分で、福島・郡山の伝統的な工芸品や福島・郡山の文化を深く知る貴重な機会としてとっても贅沢な時間を過ごすことができました。

こうした丁寧なおもてなしを受けられるのも、1日7組のゲストしか受け入れてない「オーベルジュ鈴鐘」ならではの醍醐味なので、アートや民芸品に関心のある方はぜひギャラリーものぞいてみてはいかがでしょうか。

お土産コーナー、自動販売機

1階ロビーには、お土産コーナーもあります。腰高兎、起き上がり子法師、箸などのカラトリーのほかに、フルーツのジャム・コンポート・シロップなどが販売されていました。

また、ロビーの一角には、アルコールドリンクの自動販売機と一緒に、赤べこのカプセルトイのガチャポンコーナーもあります。これは旅のお供に回したくなるやつだ…。

喫煙所

「オーベルジュ鈴鐘」の各客室内は全て禁煙です。喫煙者の方は、母屋のロビーから中庭に出たところに、喫煙所が設けられているので、喫煙者の方はこちらでどうぞ。

他の客室 

館内施設ではありませんが、ここで他の客室についても簡単に紹介しておきます。

既に紹介したとおり、「オーベルジュ鈴鐘」の全7室の客室(すべて天然温泉内風呂付き)で、各客室にはイメージカラーが設定されていて、イメージカラーをベースにしたインテリアが整えられています。

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客室イメージ
カラー
仕様・間取り内風呂渓流沿い
テラス
藤紫色平屋  94㎡
和室(8畳+1畳)/リビング(19畳)/寝室(14畳)
檜風呂
藍色平屋  90㎡
和室(8畳+1畳)/リビング(19畳)/寝室(12畳)
檜風呂
青磁錆青磁色平屋  90㎡
和室(8畳+1畳)/リビング(19畳)/寝室(12畳)
石風呂
利休利休鼠色平屋  94㎡
和室(8畳+1畳)/リビング(16畳)/寝室(12畳)
石風呂
香色メゾネット  120㎡
和室(8畳+2畳)/リビング(16畳)/寝室(15畳)
檜風呂
薄紅色メゾネット  100㎡
和室(8畳+1畳)/リビング(15畳)/寝室(11畳)
石風呂
白練色平屋  103㎡
和室(8畳+1畳)/リビング(14畳)/寝室(11畳)
石風呂
各客室の特徴の比較

料金的には五百川の渓流沿いに建っている広めの「香」「桜」「絹」の3室が他の部屋よりも若干高めの価格設定で、残りはどれも同じ価格になっています(2023年11月時点)。

今回ブログのネタにもなればという考えで、最大床面積+渓流沿いでありながらインフルエンサーやブロガーの方々に比較的取り上げられていない「香」を選択しましたが、さすがに90㎡以上ともなればどの客室でもゆったりとくつろげると思いますし、施設全体がコンパクトで移動の際の利便性も大差ないので、コスパ重視で客室を選んで問題ないでしょう。あとは、内風呂の浴槽の仕様や渓流が見えるテラスを求めるかなどを踏まえて、ご自身の好みにあった客室を選んでみてはいかがでしょうか。

17:00~ 入浴(客室天然温泉内風呂)

さて、館内散策を終えたところで、ディナー前に入浴を済ませておきます。夫はこのタイミングで貸切露天風呂に行きましたが、私は入浴後のスキンケアなどがしやすい客室内風呂に入浴することにしました。

ここでは、ルームツアーでまだ紹介していなかった「香」の洗面所と浴室を紹介したいと思います。

洗面所

「香」の客室の洗面所は、玄関を入ってすぐ左隣にあります。

洗面所

洗面所には、フェイスタオル4本、バスタオル2本が備え付けられていました。

(上段)バスタオル、(下段)フェイスタオル
フェイスタオルとバスマット

リビングにはタオルウォーマーが備え付けられているので、バスタオルは1枚ずつでも不自由することはありませんでした。

洗面台まわりには、右側に「フェイス&ハンドソープ」が、左側にその他のアメニティ一式がどっさりあります。

フェイス&ハンドソープ(「POLA ESTHE ROYER」)
アメニティ一式
アメニティ一覧
(〇が持ち帰り可、✖が備え付け)
  • ヘアブラシ
  • かみそり
  • コットン、綿棒
  • ヘアバンド
  • シャワーキャップ
  • マウスウォッシュ
  • 歯ブラシ
  • ボディタオル
  • フェイスマスク(「MIKIMOTO COSMETICS」)
  • クレンジングクリーム(「MIKIMOTO COSMETICS」)
  • クレンジングフォーム(「MIKIMOTO COSMETICS」)
  • モイスチャーローション(「MIKIMOTO COSMETICS」)
  • モイスチャークリーム(「MIKIMOTO COSMETICS」)
  • アフターシェーブローション(「資生堂 AUSELESE」)
  • ヘアトニック(「資生堂 AUSELESE」)
  • ヘアリキッド(「資生堂 AUSELESE」)
  • フェイス&ハンドソープ(「POLA ESTHE ROYER」)
  • クレンジングウォッシュ(「POLA ESTHE ROYER」)
  • リキッドクレンジング(「POLA ESTHE ROYER」)
  • モイスチャーローション(「POLA ESTHE ROYER」)
  • モイスチャーミルク(「POLA ESTHE ROYER」)

以前の「山人-yamado-」の「ドモホルンリンクル」、「八甲田ホテル」の「Plusui(プラスイ)」に続き、持ち帰りできるアメニティの中に高単価化粧品メーカーの「MIKIMOTO COSMETICS(ミキモト コスメティクス)」のフェイスマスクとムーンパールスキンケアセット(メイク落とし・洗顔フォーム・保湿ローション・保湿クリーム)があったので驚き!「MIKIMOTO COSMETICS」の基礎化粧品はボトルサイズが7,000円~10,000円台の価格帯の商品で、フェイスマスク(「ESSENCE MASK LX2枚入」)は定価3,300円もします。

「「MIKIMOTO COSMETICS」のムーンパールスキンケアセット
「MIKIMOTO COSMETICS」のフェイスマスク

1枚当たり1,500円以上のシートマスクは、もったいなさ過ぎて使うことができず、自宅に持ち帰りました(というか、こんなに高いシートマスクは買ったことがないため、いまだに使えてません笑)。

ドライヤーは壁に備え付けの、昔ながらの壁掛けドライヤー(「HD-H800L」)と、コイズミ製の生産終了品(ヒュージ、「KHD-1286」)の計2台です。ヘアドライヤーはチープな感じがするので、宿のグレードに見合った高単価帯のものへの買替を検討していただきたいところですね。

壁掛けドライヤー(「HD-H800L」)
コイズミ製のヒュージ(「KHD-1286」)

浴室

洗面所のチェックを終えたら、次はいよいよ浴室です。
「オーベルジュ鈴鐘」の各客室の内風呂は「檜風呂」「石風呂」の2タイプで、私たちが泊まった「香」の浴槽は檜風呂です。

浴室の扉を開けると、木造の湯殿が広がっていて、温泉宿の雰囲気を醸し出してくれます。

浴室の檜の香りで、リラックスモードに切り替える脳内スイッチがオンになります。
浴槽のスペースも、成人男性が足を伸ばしても余裕で入ることができる十分な広さで、まったりと湯浴みを楽しめます。

私が入った午後5時頃は日没前で外が薄暗かったので窓を開けていませんが、翌日に窓を開けてみたところ目隠しの竹垣に遮られていました。「香」の客室内風呂からの景観は期待できないものとして考えておいたほうがいいでしょう。

備え付けのバスアメニティ(シャンプー、コンディショナー、ボディソープ)は、「MIKIMOTO COSMETICS(ミキモトコスメティックス)」(各400ml/2,300円)と高価格帯のもので、あまりお目にかからないものでした。

「MIKIMOTO COSMETICS」のバスアメニティ

客室の檜風呂に入って滾々と湧き出る湯に浸かれば、一日の疲れも吹っ飛びます。天然温泉は100%源泉かけ流しですが、源泉が50℃なので、適宜加水をしながら調整することになると思います。

窓の外にすぐ目隠しの竹垣があるため眺望は望めませんが、五百川に面しているので、窓を開けると清流のせせらぎが聞こえてきて、さながら気分は半露天風呂です。

「美人の湯」と呼ばれる磐梯熱海温泉のお湯は、無色透明で柔らかい泉質の印象でした。臭いもしないので、川のせせらぎ音をBGMに時間を忘れて天然温泉にゆっくり浸かっていれば、完全リフレッシュできること間違いなしです。

【「オーベルジュ鈴鐘」の「香」の客室温泉の基本情報(温泉分析書・公式サイトより引用)】

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源泉郡山市営第1号泉、第4号泉、第7号泉統合泉
泉質単純硫化水素泉(低張性-アルカリ性単純温泉)
泉温50.4℃
pH値9.18
効能きりきず、やけど、神経痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ
くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症、胃腸病、リュウマチ、婦人病など
客室温泉内風呂の温泉分析書

18:00~ ディナー

予約したディナーの時間が18時なので、18時前には母屋の2階のレストランに向かいます。18時少し前にレストランに到着したところ、入口がまだ閉まっていたため、入口前の椅子に腰かけてオープンを待ちます。18時になると同時にレストランの扉が開いて、奥から出てきたスタッフさんにテーブル席まで案内していただきました。

レストランの中はもちろん上質な空間が広がっています。

レストランの入口を入ってすぐ左には、暖炉を模した電子暖炉が設置されていて、その上には「起き上がり小法師」などのオブジェが置かれています(一番大きいサイズの「起き上がり小法師」は、なんと「オーベルジュ鈴鐘」の女将さんをモデルにして製作されたものだそうです!)。

そして、レストランの入口を入ってすぐ右には、本格的な暖炉がどーんと鎮座しています。暖炉は寒くなってきた時期に薪をくべて稼働しているそうです。レストランのホール内も天井が高い造りで、エレガントな空間作りで優雅なディナータイムを演出してくれます。

また、レストランのホールの手前のスペースにはミニバーも設置されていました。

レストランのテーブル席には2種類あって、入口手前がパーテーションで区切られたテーブル席、奥のほうがガラス製の壁で区切られた半個室のテーブル席になっています。パーテーションのテーブル席のほうが広いので、大人数で宿泊しているゲストや小さい子どもがいるゲストにはこちらの席がアサインされているようです。

パーテーションで区切られたテーブル席
半個室のテーブル席

私たちは、今回1番奥の道路側の半個室のテーブル席をアサインされました。

テーブルセットだけ見ても、洗練された美しさを感じます。黒地のテーブルクロスに、着物の帯のような和柄のテーブルランナー、箸置きや箸も、全てがモノトーンを基調とした組み合わせになっていて、これから出てくる一皿一皿の鮮やかさを引き立てようとしています。

私たちが宿泊した令和5年9月30日の夕食のお品書きはこちらです。 

夕食のお品書き(2023年9月30日)

ということで、ここからはディナーで出てきたものを順番に紹介していきます。

食前酒

まずは食前酒で、地元福島県会津坂下町の曙酒造の「スノードロップ」が出てきました。

「スノードロップ」

日本酒でできたヨーグルトのお酒で、水も米も牛乳もすべて会津さんというこだわりです。ヨーグルトベースのお酒はドロッとした飲み口のものが多いですが、これは意外にもサラッとしています。アルコール度数は5度と低めです。美味しくてすいすい飲めちゃう。

先付け

食前酒に口をつけたタイミングで、本日の料理の一品目が運ばれてきました。笹にくるまれています。

わくわくしながら、楊枝を外すと… 

「海老キャビア」と「海鮮博多寄せ」

「海老キャビア」と「海鮮博多寄せ」です。「海鮮博多寄せ」には、ズワイ蟹やホタテやサーモンが入っています。上に散らばる菊の花弁も秋を感じさせますね。

味はもちろんのこと、見た目も煌びやかで細部にまでこだわりが垣間見れて、これからの料理への期待値もあがります!

前菜

一品目から料理の総合力の高さに感動していると、二品目の前菜が運ばれてきました。

上から時計回りに「水雲彩々」「秋刀魚山椒」「枝豆東煮」「無花果西京煮」、中央に「まこも茸」

こちらも美しい、たわわに実った稲穂から秋の豊作を思わせる皿は、今が旬の秋の味覚が並んでいます。稲穂も食べれるようで、米がポン菓子のようになっていました。秋刀魚は脂がのっていて美味しく、無花果はトロトロして舌触りに西京味噌の優しい甘さがベストマッチし、初めての味わいでした。

ここで私たち夫婦はともに日本酒の飲み比べセットを注文しました。いつもは二人ともまずはビールで始まりますが、せっかくなのでここは福島の地酒と一緒にいただくことにします。

夫が頼んだのは、「辛口3種」(1,980円)で、私が頼んだのは「鈴鐘3種」(2,200円)です。

夫がオーダーした「辛口3種」
私がオーダーした「鈴鐘3種」

どちらも2,000円前後でしたが、お猪口に並々で来たので、2人ともこれで酔っ払い確実です。夫婦でシェアしながら気分はまるで利き酒師です。夫は「奈良萬」、私は水のように飲み口が軽い「天明」がお気に入りでした。

造り

日本酒の提供とほぼ同時のタイミングで、お造りが提供されました。

お造り(本鮪、平目、帆立)

お造りは、本鮪、平目、帆立の3種でした。醤油も土佐醤油というこだわりです。身が厚くて新鮮で、私がこれまで食べたお造りの中でも確実に上位に入ってくる美味しさです。鮪はそれぞれ部位が違い同じ鮪でも味覚の違いを楽しめます。

焼き物

4品目は焼き物で「鰤味噌柚庵焼」「栗田舎煮」「茸里芋土佐煮」で秋を感じる一品です。里芋は松茸の形の飾り切りです。

(左から)「鰤味噌柚庵焼」「栗田舎煮」「茸里芋土佐煮」

脂がのった「鰤味噌柚庵焼」は言うまでもなく滋味でしたが、「茸里芋土佐煮」が見た目も味もユニークな料理でした。松茸の形の飾り切りをした里芋を粉かつおでコーティングして松茸に模してありますが、味はしっかりと土佐煮の味でした。

煮物

お次は煮物料理です。

「鶏と冬瓜香り煮」

煮物は出汁がしみ込んだ「鶏と冬瓜香り煮」で、シャキシャキとトロトロの2つの食感が楽しめる冬瓜が美味しい。上にはそばの実がアクセントとなり、初めての味覚体験でした。

美味しい料理に舌鼓を打ちながら、アルコールのメニューを見ると、地酒が豊富なのはもちろんのこと、今では手に入れることが困難な「十四代」、「新政」、「而今」などもメニュー表にありました(とは言っても、1合3,000円台とそれなりのお値段だったので、今回は遠慮しておきました)。

夫が追加の日本酒のオーダーを検討しているところで、食事の合間に各席の様子を確認してまわっておられた女将さんから「ビールいかがですか?」と声をかけていただき、何やら特別なビールをサービスでいただけるとのことでしたのでお願いしてみました。ディナーの途中でサービスでいただいた「サプライズビール」は、サービスの質の高さに感動すること間違いなしです。ネタバレになるので、ビールの写真は掲載しませんが、私たちのまったく想像していなかったサービスで、誕生日や記念日などでぜひ利用したいサービスです。宿泊された際には、ぜひご自身で体験してみてください。

預け鉢

ここで本日のメインディッシュとなるお肉料理の登場です!

「黒毛和牛陶板焼き」

肉料理は「黒毛和牛陶板焼き」です。ソースはニンニクソース、刻みわさび、レモンと塩です。自分で焼加減を調整しながら、ベストな焼き具合を見極めてから頬張ると、口の中に上質な脂の旨味が広がり、幸せのひとときで満たされます。

野菜が口直しの役割を果たしてくれ、またお肉自体もくどくないので、あっという間にいただいちゃいました。

揚げ物

陶板焼きで胃袋が幸せに満たされているタイミングで、揚げ物料理がやってきました。

陶板焼きで腹八分目にさしかかっていたので「揚げ物が食べれるかな?」と思っていましたが、そんな不安はあっさりと一蹴されました。「鰻と揚げ湯葉 アボガドソース」はそれぞれの素材が三位一体となり、またレモンの風味が揚げ物のしつこさを消してくれ、腹八分目にさしかかっていたことを忘れてしまったかのようにあっさりと完食です。

「鰻と揚げ湯葉 アボガドソース」

鰻と湯葉の天ぷらをアボガドソースでいただくなんて、これまで経験したことがなく、この組み合わせは想像したこともありませんでしたが、湯葉のカリッとした食感を楽しんだ後に、鰻のジューシーな身と濃厚なアボガドソースの組み合わせがやってきて、思わず納得させられちゃう味です(語彙力……)。

こうした未知の味覚体験で満足させてくれるところが、さすがのオーベルジュです!

食事

旬を楽しむ料理、オーソドックスな料理、未知の味覚体験を一通り楽しんだら、最後の〆にご飯ものです。

(左から)「秋鮭とマイタケご飯 イクラ」「香物」「茸の赤出汁」

ご飯ものは、「秋鮭とマイタケご飯 イクラ」「茸の赤出汁」「香物」でした。こちらは、最後に舌を落ち着かせるようなホッとする味でした(宮城県には「はらこめし」という郷土料理があるので、宮城県在住の私たちは鮭といくらとご飯の組み合わせに関しては厳しめです笑)。

デザート

最後のデザートは「さつまイモ豆乳プリン」「季節の水菓子」「お薄」(抹茶)です。

(手前)「さつまイモ豆乳プリン」「季節の水菓子」(奥)「お薄」

先ほどギャラリーで見たばかりの真っ赤で色鮮やかなお皿の上に、これまた美しいデザートの品々が載っていて、相乗効果でアート作品のような美しさです。

デザートの味も今回のディナーを締めくくるにふさわしい美味しさで、最後まで満足させてもらいました。


コース全体を通した味の満足度はもちろんのこと、旬の食材を用いて季節を感じさせてくれる料理、提供の順番、食器を含めた盛り付けの美しさなど、ディナー全体を通して味覚以外の面でもとても楽しませていただきました。

細部に至るこだわりの積み重ねがゲストをワンランク上のレベルで満足させることにつながり、それが口コミ評価の高さやリピーターの多さにつながっているんだなぁと今回納得。

名前に「オーベルジュ」を冠して営業している以上、必然的に料理への期待値があがってしまいゲストを満足させるのは簡単なことではないと思いますが、あらゆる面で感度の高いディナータイムを過ごすことができました。

【続く】

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この記事を書いた人

山形県出身、宮城県仙台市在住。
30代の既婚の女性です。
結婚3年目を迎える共働きの子なし夫婦の妻のほうをしています。
旅行は遠出よりも近場派。
東北の宿泊施設をめぐるのが大好きで、月に1,2回のペースで東北各地の宿に泊まっています。
色々な旅行ブログをのぞいているうちに自分にも有意義な情報発信ができるかもと考えて、このサイトを立ち上げました。
当サイトのモデルプランを参考に滞在中のスケジュールを組んでもらえれば宿での滞在時間がより充実したものになる思うので、是非のぞいていってください。

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