こんにちは!前回「山人-yamado-」に宿泊してから2週間が経ち、秋の入りを感じる季節になりました。気温も過ごしやすい日が続いているため、レジャーにはベストな時期がやってきましたね。
ということで、私たち夫婦は9月のシルバーウィークの3連休に北東北旅行に 出かけて、青森県・秋田県の宿泊施設に泊まってきました。当ブログで青森県と秋田県の宿泊施設をご紹介するのは初めてなので、青森県・秋田県で泊まった宿の魅力を気合を入れて紹介していきたいと思います。
まず今回レポートするのは青森県の宿泊施設、2023年9月16日(土)から17(日)にかけて泊まった「八甲田ホテル」(青森・寒水沢温泉)です。
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青森県の温泉宿といえば、最初にイメージするのは「青森屋」「奥入瀬渓流ホテル」「界 津軽」といった星野リゾート系列の宿泊施設ですが、そんな有名どころにも引けを取らない高い知名度を誇る宿泊施設といえば「酸ヶ湯温泉旅館」や「八甲田ホテル」ではないでしょうか。
私たち夫婦は今回の旅行で宿泊する宿の最初の候補として「奥入瀬渓流ホテル」を挙げていましたが、動き出しが遅かったためシルバーウィーク中はまったく空きがなく断念。。
青森県の宿をどこにしようかと決めかねていましたが、前回の「山人-yamado-」に宿泊する際も参考にさせてもらった実業家の箕輪友行さんが運営するyoutubeチャンネル「ミノチャンネル」で「八甲田ホテル」を過去に宿泊レポートされていたので、こちらを参考に「八甲田ホテル」に決めました。
「ミノチャンネル」では少し厳しめの評価をされているのですが(笑)、ホテルの大浴場の寒水沢温泉だけなく姉妹館の酸ヶ湯温泉も利用できることと、夕食のフランス料理とレストランの雰囲気が私たち夫婦には魅力的に映ったので、こちらに決めました。
【「八甲田ホテル」の基本情報】
住所 | 〒030-0198 青森県青森市大字荒川字南荒川山1-1 |
開業日 | 1991年5月10日 |
電話番号 | 017-728-2000 |
アクセス | 【新幹線の場合】 東北新幹線→新青森駅下車→JR奥羽本線「青森行」に乗車→青森駅下車(6分、190円)→無料送迎バス(約70分) 【飛行機の場合】 青森空港→JRバス青森空港線「青森行」に乗車→青森駅下車(35分、860円)→無料送迎バス(約70分) 【車の場合(仙台から)】 仙台→東北自動車道→黒石ICにて下車後国道102号→才ノ神付近交差点→国道394号→荒川付近交差点→国道103号(八甲田ゴールドライン)→八甲田ホテル(約4時間20分) |
総客室 | 地上2階(一部地上1階) 55室(ツインルーム39室、メゾネット8室、特別室8室) |
チェックイン | 15:00(HP限定12:00アーリーチェックインプランあり) 最終チェックイン19:30 |
チェックアウト | 10:00(HP限定11:00レイトチェックアウトプランあり) |
定休日 | 通年営業、休館日なし |
公式 サイト | https://www.hakkodahotel.co.jp/ |
「八甲田ホテル」について
「八甲田ホテル」は、ブナの原生林が生い茂る十和田八幡平国立公園内に立地し、建物の外観はまるで洋風のログハウスのような佇まいです。日本のホテルとは思えないような重厚な建物の造りは八甲田ホテルの見どころの一つと言っていいでしょう(建築には延べ9,000人もの大工が動員されたとのことです!!)。
ホテルの建物の基礎以外はすべて木造建築で、日本最大級の純木造建築とされています。約2,000㎥の木材が使用され、カナダ産レッドシダーやアメリカ産オレゴンパインの巨木を丸太ごと用いています。外からも存在感がばっちりな外観ですが、壁や柱に規格外の大きさの丸太が惜しみなく使用されていたり日本の木造建築の伝統的な工法が応用されている建物の内部は一見の価値ありです。ほかにもスペイン産テラコッタの床やスウェーデンの木造サッシを使用するなど、建物の至る所にこだわりがみられます。
また、エントランス正面前のガス灯も非常に印象的で記憶に残ります。なんでも酸ヶ湯温泉株式会社の5代目社長が自身が遭難した経験から「この八甲田に24時間365日一筋の明かりを灯したい」との思いで、ニューヨークのアンティークショップで購入した一点ものだそうです。
建物内部の造りの中でも特に圧巻だったのが、後ほど紹介するフレンチレストラン「MeDeau(メドー)」です。8mを超える天井高の空間やクラシックな洋館を彷彿とさせる煌びやかな内装が大人の社交場然とした雰囲気を作り上げていて、優雅な夕食・朝食のひと時を過ごすことができますよ。
八甲田連峰の登山道の入口からも程近い「八甲田ホテル」は、登山客や山岳スキー客の利用が多いことでも広く知られています。登山の前後に「八甲田ホテル」で泊まって英気を養ったり疲れを癒すことができれば、八甲田連峰でのトレッキング以外の楽しみも増えますね。
「酸ヶ湯温泉」について
「八甲田ホテル」から徒歩で約15分・車で約3分(約1km)の距離には名湯「酸ヶ湯温泉旅館」があります。酸ヶ湯温泉は、江戸時代中期に発見され、湯治場として長く愛されてきました。昭和8年に酸ヶ湯温泉株式会社が設立され、昭和29年に日本初の「国民保養温泉地第1号」として認定されています。高い効能を持つ泉質だけでなく、160畳もの広さを誇る混浴大浴場「ヒバ千人風呂」は、東北のみならず日本全国に多くのファンがいるので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
「八甲田ホテル」は、平成3年に「酸ヶ湯温泉旅館」の姉妹館として開業し、現在も酸ヶ湯温泉株式会社によって運営されています。そのため、「八甲田ホテル」の宿泊客は東北の名湯として名高い酸ヶ湯温泉での湯浴みも思う存分に楽しめます(もちろん無料です)。
しかも、「八甲田ホテル」・「酸ヶ湯温泉旅館」間には無料の送迎バスが出ているので、自家用車での来訪でなくても酸ヶ湯温泉を気軽に利用にできます(徒歩で15分の距離なので、冬季以外の季節には散策がてら「酸ヶ湯温泉旅館」まで足を伸ばすことも余裕でできます)。
酸ヶ湯温泉は、男性専用小浴場・女性専用小浴場(「玉の湯」)もありますが、やはりせっかく来たなら天井まで全面ヒバ造りの「ヒバ千人風呂」に入りたいところですね。ただし、注意が必要なのは「ヒバ千人風呂」は平時は混浴なので、女性は(混浴に抵抗がない方以外は)1日2回(8:00~9:00と20:00~21:00)の女性専用の時間帯を狙わなければならないという点です。
今回の「八甲田ホテル」での宿泊ではこの点も加味して滞在中のスケジュールを組んであるので、是非参考にしてみてください。
今回宿泊した9月中旬頃はまだ厳しい残暑が続いていましたが、標高900メートルの大自然に囲まれた環境ということもあり、深緑を愛でながら避暑地でのんびりと過ごせました。ついでに、憧れの秘湯である酸ヶ湯温泉もあわせて体験することができて、とっても充実した滞在でした。
青森県随一の大型リゾートホテル「八甲田ホテル」のおススメポイントは、以下のとおりです。
- ブナの原生林に囲まれた日本最大級の木造ログハウスホテルでのリトリート
- 気品あふれるエレガントな空間で味わう絶品クラシックフレンチのフルコース
- 八甲田の源泉が生んだ泉質が異なる2種の温泉の湯めぐり体験
仕事や生活から離れた非日常的な環境に身を置いて、自分自身に意識を向け、ゆったりとした時間を過ごすこと
今回も次のようなスケジュールで、チェックアウトぎりぎりの時間まで滞在を満喫しました。
今回の宿泊中のスケジュール(モデルプラン)
1日目 |
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8:30 出発 |
13:00 道中で昼食、観光 |
15:00 チェックイン |
15:30 ルームツアー |
16:00 館内を散策 |
17:00 入浴(男性:酸ヶ湯温泉、女性:大浴場) |
18:30 ディナー |
20:00 バータイム |
21:30 入浴(大浴場) |
22:30 就寝 |
2日目 |
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6:45 起床 |
7:00 朝食 |
8:00 入浴(男性:大浴場、女性:酸ヶ湯温泉) |
9:15 コーヒータイム、チェックアウトの準備 |
10:00 チェックアウト |
1日目
8:30 出発
今回の北東北旅行では、仙台より東北自動車道を北上して安代JCTを青森方面に向かいました。仙台から「八甲田ホテル」までの通常ルートでは黒石ICで降りてホテルに向かうことになりますが、この日は天気にも恵まれたため、せっかくなので観光もしつつ、早めに高速道路を降りて寄り道しながら行くことにしました。
秋田県の十和田ICで降りてから50分ほど車を走らせ、山道を抜けると木々の間から見える十和田湖の広さに夫婦で感動。それから十和田神社を目指してルート設定し、神社周辺には定食屋やお土産屋も多いため、定食屋で昼食をとります。十和田湖周辺を観光してから奥入瀬渓流沿いを走るルートで、八甲田ホテルに向かうことにしました。
13:00 昼食、観光
高速道路で多少の渋滞はあったものの、13時過ぎには十和田神社になんとか到着しました。
「NIPPONIA 白鷹 源内邸」に宿泊してからというもの、その地方ならではの食を探すことが楽しみになっている夫は、道中のリサーチで十和田湖周辺の名物のヒメマス料理を発見し、昼食はヒメマス料理と決めていたのでした。ただ、本当はヒメマスの刺身を食べてみたかったようですが、この日はどのお店も売り切れでお刺身は諦めることに。。
今年の夏はヒメマスの不漁が深刻なレベルで続いていて、ヒメマスの刺身や寿司などは、十和田神社周辺の食堂ではほとんど提供されていないようでした。
ヒメマス料理を求めてさまよい歩き続けた結果、ヒメマス料理の名店として名高い「もりた」さんで昼食をとることに。
【「お土産とお食事の店もりた」の基本情報】
住所 | 〒018-5501 青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486 |
電話番号 | 0176-75-2206 |
営業時間 | 月~日、祝日、祝前日: 11:00~15:00 (料理L.O. 15:00 ドリンクL.O. 15:00) 湖水祭りの際は21:00まで営業 |
定休日 | 12月~4月まではお土産店のみ営業 |
席数 | 21席 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
公式HP | https://www.towadakomorita.com/ |
こちらのお店で残り1食になっていた「ひめます塩焼き定食」をすべり込みで注文することに成功!この日最後の1食は通常よりも大きなサイズのヒメマスだったようで、定食の一般的な値段は2,200円のところ確か2,500円前後でした(定食の値段はヒメマスの大きさによって変動します)。
焼きたてのヒメマスはふわふわの身で脂がしつこくなく、一度食べ始めると箸が止まりません。お刺身が次回に持ち越しになったのは残念ですが、塩焼きも他では味わうことができない味覚だったので、最後の1食にありつけて幸先の良いスタートになりました。
ちなみに、小食の私は、夜のディナーのことを考えて、お昼は「いかさつま」(500円)だけにしておきました。
昼食後は十和田神社境内を散策したり、高村光太郎「乙女の像」を見学して、十和田湖を眺めながら新鮮な空気を味わいつつ少しのんびりしたところで、次は奥入瀬渓流方面へと車を走らせます。
湖沿いの道路を北上すると、すぐに見えてくるのが奥入瀬渓流を示す看板です。右折してからほどなく長い渓流が出現します。
初夏のような爽やかな気温だったため、窓を開けながら奥入瀬渓流沿いを車で走りました。奥入瀬渓流は、星野リゾートが運営する「奥入瀬渓流ホテル」もあり、青森県では有数の観光地です。水辺をトレッキングする人や車を停めて写真を撮影している人などがたくさんいましたが、その人気ぶりは来てみて納得です。四方を眩しい深緑に囲まれて、道路沿いには清らかな渓流が流れ、マイナスイオンをたっぷり浴びることのできる最高に贅沢な環境だと感じました。秋の紅葉も素晴らしいと思いますが、「奥入瀬渓流だけを目的にして、また夏に再訪しよう」と来年以降の目標が一つ決まりました。
星野リゾートの「奥入瀬渓流ホテル」を過ぎてからは、橋を渡り酸ヶ湯方面に左折、山道を進むこと約30分。「蔦温泉」や「猿倉温泉」の看板を横目にさらに先に進むと、ついに「八甲田ホテル」の看板が見えてきました。
いやーここまで長かった!!笑
15:00 チェックイン
道沿いにモダンなデザインの「Hakkoda Hotel」の看板が見えたところで敷地内へ。洋風の街灯が立つ小道を車で進むと「八甲田ホテル」の外観が見えてきます。
駐車場の収容台数は63台(バス3台、乗用車60台)で、山の中できた広々としたスペースに駐車し、長距離移動を終えて一息つこうと足早にホテルの建物に向かいます。
建物正面が広すぎて上手く写真に納まりませんが、エントランス正面の威風堂々たる佇まい!
まず目に飛び込んでくる規格外の太さの柱や丸太が何重にも積み重ねられたログ調の外観。そしてシンボルのガス灯。まさに青森を代表するリゾートホテルの風格を感じさせます。
「八甲田ホテル」の建物の特徴として、フロントやレストランがある本棟と5つの宿泊棟にわかれていて、また、各棟は1階建てまたは2階建てになっています。建物が本棟と5つの宿泊棟にわかれているのは、景観を損なわないように周辺のブナの木々より屋根を低く設計したことによるものです。また、各棟は渡り廊下でつながっていますが、周囲の自然環境に配慮しながら建築したため建物の配置や階層に規則性がなく、館内はまるで大きな森の迷路のような複雑な造りをしています。
「八甲田ホテル」の敷地内の各建物の配置は、下の館内案内図のとおりです。この案内図を見ただけでも、建物内が複雑な構造になっているのがおわかりいただけるのではないでしょうか。私たちの宿泊滞在中も、他の宿泊客の方が建物内で迷子になってスタッフさんに自分が今どこにいるのかを尋ねている場面に遭遇しました。
日本最大級の洋風木造建築と謳われるのにも納得がいく広大さですね。
フロント、ロビー
正面玄関から高級感のある赤いじゅうたんの上を進み建物の中に入ったら、正面に見えるフロントでチェックインです。
館内もログ調の壁に丸太がふんだんに使われていて重厚な造りです。それと同時に壁一面や床・天井にあしらわれた天然の木材が温もりと安らぎを感じさせてくれます。
ロビーには青森県の芸術家で版画家として有名な棟方志功の作品が多数展示されていました。棟方志功は酸ヶ湯温泉によく遊びにきていて、お宿代の代わりに絵を渡していたそうです。ホテルに展示されている作品は、志功の名声が知れ渡る前に描いていた若い頃の作品です。モダンな雰囲気が感じられるログ調の壁とマッチしてさながら美術館のようです。
フロントそばには、「八甲田ホテル」の看板犬だったセントバーナードのフジコのメモリアルコーナーもありました。フジコは2021年10月16日に亡くなっていますが、それからもお花やフォトフレームなど全国各地から贈り物が届くそうです。八甲田に訪れるたくさんのお客様に愛されていたワンちゃんだったのですね。
ロビーラウンジ
正面玄関から入って右には、ロビーラウンジのスペースが設けられています。こちらももちろんログ調の造りで、壁とソファーの赤色やシックな黒色のシャンデリアが、天然木材の重厚感と見事に調和しています。ここでも棟方志功の大きな絵画がひときわ存在感を放っています。こんな空間で読書でもしたなら、優雅なひと時になりそうですね。
ロビーラウンジでは、フリードリンクとして麦茶も提供されていました。「本日のお茶」と書いてあったので、もしかすると日替わりなのかもしれません。
ロビーラウンジの向かいが売店になっていて、その隣にメインレストラン「MeDeau(メドー)」の入口があります。売店には、青森県の名物のお菓子や食品だけでなく、調度品も並んでいました。こちらは後ほど紹介したいと思います。
私がロビーの展示物の数々を見入っている一方で、夫のほうはフロントでチェックインの手続きをしていました。チェックインの際には、一通りの説明を受けた後に、夕食と朝食の時間を指定します。
夕食と朝食は30分刻みで指定することができますが、ここでは姉妹館の「酸ヶ湯温泉旅館」の「ヒバ千人風呂」の利用時間のことを考えながら、ベストな時間を指定しておくのが望ましいでしょう。
- 夕食 【 17:00、17:30、18:00、18:30、19:00、19:30 】
- 朝食 【 7:00、7:30、8:00、8:30、9:00、9:30 】
というのも、すでにお伝えしたとおり、女性が「ヒバ千人風呂」を利用する場合には、女性専用の時間帯である宿泊当日の20:00~21:00または翌日の8:00~9:00のどちらかにあわせて時間を確保しておかなければならず、この点を踏まえて食事の時間を指定しておく必要があるのです。
ただ、宿泊当日の20:00~21:00の時間帯に「ヒバ千人風呂」を利用しようとすると、その前のディナータイムにお酒を飲まないか、飲むなら無料送迎バスで「酸ヶ湯温泉旅館」まで移動する必要がありますが、2023年7月から無料送迎バスが定時の運行に変更になった影響で柔軟にスケジュールを組むことができません。
そのため、自家用車で来た女性の方が「ヒバ千人風呂」の利用を考えている場合には、翌日の8:00~9:00の時間帯を狙って酸ヶ湯温泉の利用を組み込むのが標準的なスケジュールとなり、この場合、朝食の時間は必然的に午前7時を指定することになります(朝食の時間を酸ヶ湯温泉の入浴後の午前9時以降にすることも考えられますが、レイトチェックアウトプランでなければ、チェックアウトがバタつくので避けておいたほうが無難です)。
これに対し、男性の場合は、「ヒバ千人風呂」の利用時間を気にして時間を調整する必要はほとんどないものの、まず自家用車で「酸ヶ湯温泉旅館」に向かう場合には飲食したディナー後の時間は避けることになります。
また、せっかく宿泊利用客の特典として酸ヶ湯温泉をいつでも無料で利用できるのですから、日帰り入浴客でごった返す時間帯は避けてのんびりと入浴したいところです。
「酸ヶ湯温泉旅館」の日帰り入浴の最終受付は、「ヒバ千人風呂」が17時30分、小浴場の「玉の湯」が16時30分となっているので、17時すぎ以降を狙って利用すれば宿泊客しかいない空間で「ヒバ千人風呂」の湯浴みを思う存分満喫できるはずです。このプランで行くのであれば、夕食は「酸ヶ湯温泉旅館」から戻って来る頃合いを見計らって18時30分以降を指定しておくのがベターでしょう。
このため、夫婦や恋人同士などの男女のペアで自家用車を交通手段にして「八甲田ホテル」に来ている場合には、夕食は18時30分以降、朝食は7時を指定してしておくことで酸ヶ湯温泉の利用を組み込んだスケジュールが出来上がり、充実した滞在を過ごすことができるのでおススメです。
私たち夫婦の今回の滞在でも、夕食は18:30に、朝食は7:00に指定しました。
フロントで夕食と朝食の時間を指定したら、以下のものを受け取ってチェックインの手続きは完了です。
【チェックインの際の受取物リスト】
- 客室の鍵
- 朝食券
- 館内案内
- 酸ヶ湯までの送迎バスの時刻表
15:30~ ルームツアー
チェックインを済ませたら、スタッフさんのアテンドで本日宿泊する予定の客室を目指して館内を移動していきます。
この日私たちがアサインされた客室は、C棟の302号室です。
フロント左横の通路を突き当たりまで進むと、左にはラウンジバー「PLATTO(プラット)」の入口があります。
高級ホテルということから、館内のインテリアにも強いこだわりが見られます。至る所に風景画が飾られていたので、館内の散策では優雅な気分に浸れそうですね。
また、本棟と宿泊棟の境界付近には、「ひげの殿下」の愛称で親しまれた三笠宮寛仁親王殿下が愛用されたスキー板も飾られていました。八甲田山の春スキーを愛され、よくおいでになっていたようです。
宿泊棟の中では浴衣とスリッパの館内移動はOKですが本棟ではNGなので、間違えて浴衣とスリッパで本棟に入り込んでしまわないように注意が必要です。
私たちがアサインされた部屋があるC棟へは、宿泊棟に入ってすぐに二手に分かれている通路を右折して渡り廊下を進んでいきます。
渡り廊下を突き当りまで進むとC棟の建物内に入り、正面にはエレベーターが、その左側には下への階段が設置されています。
また、エレベーターのすぐ横には自動販売機と一緒に製氷機が設置されているので、氷が必要になったら、客室にあるアイスペールに氷を入れて客室まで持ち帰ることができます。
C棟の321号室~327号室はエレベーター右の通路沿いにあるのですが、私たちが宿泊する302号室へはさらにエレベーターまたは階段を使って下に降りていきます。
C棟の1階へ移動し真っすぐに伸びた通路をさらに奥へと進んだ、C棟の一番奥に302号室があります(そこからさらに先に渡り廊下を進むと、B棟・A棟につながっています)。
あらためてC棟にある302号室の位置を確認してみると、こんな感じです。
いや、ほんとに迷路でしょ!
迷路のような館内を歩いて302号室に無事到着したら、クラシックな色合いの鍵で開錠していざ入室です。
客室の入口ドアを開けて室内に入ってみると、床一面が絨毯敷きのお部屋になっていました。部屋の奥には大きな窓があって、カーテンを開けるとすぐ目の前にブナの原生林が広がっています。
私たちが宿泊した302号室は角部屋で2面採光のため、明るい光が入り、部屋の実際の広さ以上に広々とした空間に感じられました。
また、ベランダへは自由に出入りすることができ、客室からも気軽に自然と触れあえる設計になっています。今回の宿泊は1番スタンダードなツインルームでしたが、グレードがより高いメゾネットタイプや特別室もあります。
1991年に建てられたホテルのため設備は総じてやや古さが感じられます。ベッド周りにコンセントは2口ありましたが、USBポートはありませんでした。ベッドはフランスベッド株式会社のものでした。
窓際の長机にはお湯の入ったポット、八甲田の伏流水、八甲田ホテルオリジナルコーヒーのドリップバッグなどがありました。長机の引き出しの中には、浴衣・帯・湯上り足袋の3点セットのほかに、歴史のあるホテルあるあるで新約聖書や仏教聖典が入っていました。
そしてテレビ下の棚には、上段にお茶セット(スタンダードな温泉宿の緑茶のセット)、下段には栓抜きやアイスペールがセットされています。
テレビの真下に設置されているミニ冷蔵庫の中身というと、、、空でした(最近宿泊する温泉宿には地産のジュースがセッティングされていることも多く、リンゴジュースが入っていないかつい期待してしまいましたが残念…)。
冷蔵庫の中に飲料類がなかったため、長机の上にセットされていた飲料水(八甲田の伏流水)に手を伸ばして一息つくことに。
......これがこちらの予想をはるかに超えてくる美味しさ!!
今まで飲んだ水の中でもトップレベルにおいしい!!!私が人生の中で飲んだお水の中でも確実に記憶に残る味といっていいと思います!
キリッとした冷たさも、癖のない飲みやすさも、乾いた体のあちらこちらに染み渡ります。二人で2日間で何杯飲んだことでしょう…。まさか八甲田の渓流水がここまでの美味しさとは、、いい意味で裏切られました!
クローゼットを開けると、中には予備の枕、バスローブ、防寒用のベスト、湯かご、セーフティボックスがありました。
せっかくなので、浴衣とあわせてバスローブとベストもベッドの上に広げてみました(さすがにバスローブを着用する勇気まではなし……)。
続いて水回りはこんな感じです。ホテルがそこそこ古いので洗面台やトイレも少し古さを感じますが、それでも築32年以上が経過しているとは思えないほど清潔感がきちんと保たれていて、開業以来しっかりと管理され続けてきたことがうかがえます。
アメニティ類は、ハイエンドなホテルらしく充実しています。女性が気になるスキンケアは「Plusui(プラスイ)」のアメニティセット(定価1,650円)で、クレンジング、ウォッシュ、ローション、アクアジェルが入っています。
水がベースの自然派のスキンケア用品でありながら、美容液に匹敵する高機能美容成分・高保湿成分を贅沢に配合し、敏感肌の方も使用できる製品のようです。よくよく調べると、一つ一つの基礎化粧品がそれなりの高単価のため、このような機会に試せるのはお得な気分でした。
- ヘアブラシ
- ヘアターバン
- コットン
- 綿棒
- スキンケアセット
- T字カミソリ
- シェービングフォーム
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- ボディタオル
ヘアドライヤーはテスコムの「TD121-K」、ハイエンドなホテルには少し似つかわしくない廉価な生産終了品でした。ここは「Refa(リファ)」などに切り替えていてもらいたいところですね。
浴室も当時は高価なバスタブやタイルなどを採用して造られたとは思いますが、デザインの古めかしさやバスタブの狭さは時代を感じざるを得ません。ただ、「八甲田ホテル」には温泉の大浴場があるので、客室風呂の設備についてはあまり気にはならないかも。
浴場に備え付けのシャンプー・リンス・ボディーソープ・ハンドソープは、おなじみの「PROVINSCIA(プロバンシア)」で統一されていました。
部屋の中のチェックを終えてベランダに出てみると、隣の部屋との仕切り板が上半分にしかありませんでした。隣の部屋の方とベランダに出るタイミングがかぶっちゃうとちょっと気を遣ってしまいそうですが、外の景色と空気が清々しいので天気のいい日にはベランダでのんびりティータイムを過ごすのも最高ですね。
恒例のWiFiチェックもしてみましたが、61Mbsと申し分ない通信速度で、山の中でも全く問題ありません。
16:00~ 館内を散策
夕食を遅めにした関係でまだまだ時間には余裕があったので、一通りルームツアーを終えたところで、今度は「八甲田ホテル」の館内を散策してみました。
売店
まずはチェックイン時にさらっと見ていた売店へ再び足を運びます。
「八甲田ホテル」の周辺には当然コンビニもないことから、もし夕食後に部屋でゆっくり飲み直したくなったら、飲料・アルコール類は自動販売機を利用するか、こちらの売店で買うことになります。乾き物や鯖缶などのおつまみも販売されていました。
売店で販売されているお土産品は、食品関係では定番のリンゴを使ったものが一番豊富ですが、それ以外にも黒ニンニクや、陸奥湾のホタテを使用した食品なんかも結構取り揃えてありました。あとは、地酒、レトルト食品、ジャムといったところでしょうか。
食品以外では、青森の伝統工芸品として人気のある、「津軽びいどろ」「津軽金山焼」「こぎん刺し」なんかも置いてました。びいどろのグラスと金山焼の器は、我が家でも日常的に使っているため、自然とテンションがあがってしまいました。。
バーラウンジ「PLATTO(プラット)」
フロントからほど近い距離にあるバーラウンジ「PLATTO(プラット)」は、その名の通りディナーを終えた後や、酸ヶ湯温泉から戻って来たタイミングなどにぷらっと立ち寄ることができます。
バーラウンジ「PLATTO(プラット)」の営業はティータイムとバータイムの2部制になっていて、それぞれの営業時間帯で雰囲気がガラッと変わります。
- [ティータイム]13:30~17:00(LO 16:30)
- [バータイム]20:00~22:30(LO 22:00)
まだ明るい時間帯は外の景色も見えるため、早めにチェックインをした方は、「PLATTO(プラット)」でティータイムを過ごすのもおススメです。ドリンクメニューには、オリジナルコーヒー(800円)やハーブティー(850円)、100%完熟リンゴジュース(600円)がありました。
喫茶メニューの中に「県産リンゴのパウンドケーキ」のガトーセット(1,300円)も発見してかなり心を揺さぶられましたが、夕食まで空腹状態をベストにしておきたいことから泣く泣く断念。。バニラアイスものってるし、間違いなくおいしかっただろうな…。
コンベンションホール
私たちが宿泊棟に入ってC棟に向かう際に右折したところを右折しないで真っすぐD棟方面に進むと、突き当りにはコンベンションホールがあります。私たちが宿泊した日は特に講演会や結婚披露宴といったイベントの予定がなかったためか、こちらの入口ドアは閉じられていました。
コンベンションホールの内部については、公式サイトからお借りした画像を載せておきます。
喫煙所
「八甲田ホテル」の客室内は禁煙のため、喫煙者の方は喫煙所を利用することになります。喫煙所は1ヶ所のみで、D棟(コンベンションホールの通路を挟んだ向かい)に設置されています。
さて館内の散策も終わり、次回は温泉への入浴、ディナーと続きます。今回もなかなかのボリュームになりましたが、次回は「八甲田ホテル」のメイン回ですので、引き続きご覧になってください。
【続く】
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